結論から言うと、会社が「自分の株」を買う行為です。
普通は投資家が株を買いますが、自社株買いでは会社自身が投資家から株を買い戻すのが特徴です。
自社株買いについて詳しく説明していきます。

なぜ自社株買いをするのか(主な目的)
1. 株価を上げたい
市場に出回る株の数が減ると、
1株あたりの価値が上がりやすくなるため、株価上昇が期待されます。
2. 株主への還元
利益が出たとき、配当金の代わりに
株主への還元方法の一つとして使われます。
3. 敵対的買収の防止
外部企業が大量に株を買って会社を乗っ取るのを防ぐため、
自分で株を持っておくことがあります。
4. 余った資金の有効活用
大きな投資先がないとき、
手元の現金を株主価値向上に使うという考え方です。
自社株買いの仕組み
会社が市場に出回っている自社の株式を買い戻すと、
発行済株式数(世の中に出ている株の総数)が減ることになります。
株は「1株あたりの価値」で評価されるため、
同じ利益でも株の枚数が減ると、1株の価値が相対的に高くなる仕組みです。
数字で見ると分かりやすい
例えば:
- 会社の利益:1,000万円
- 株の枚数:1,000株
この場合、
1株あたり利益(EPS)=1万円
ここで会社が200株を自社株買いして消却すると:
- 利益:1,000万円(変わらない)
- 株の枚数:800株
1株あたり利益=1万2,500円
利益は同じなのに、1株あたりの価値が上がります。
これが株価上昇につながることがあります。
「消却」と「保有」の違い
自社株買いには2パターンあります。
1. 消却
買い戻した株を完全になくすこと。
→ 株数が減るので価値が上がりやすい。
2. 保有(自己株式として持つ)
会社が金庫に入れて持っておくイメージ。
→ 将来、役員報酬やM&Aの支払いに使うこともある。
配当との違い
株主への還元には主に2種類あります。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 配当 | 直接お金を配る |
| 自社株買い | 株の価値を間接的に上げる |
配当は「今すぐ現金がもらえる」。
自社株買いは「将来の株価上昇が期待できる」。
投資家によって好みが分かれます。
投資家にとってのメリット
- 株価が上がる可能性がある
- 1株あたり利益(EPS)が上がりやすい
- 「会社は自社に自信がある」というサインになる
会社側のメリット
- 株価の安定・上昇が期待できる
- 経営陣が「自社は割安」と市場にアピールできる
- 株主還元として評価されやすい
- 敵対的買収の防止になる
デメリット・リスク
1. 本業への投資が減る
研究開発や設備投資に回すべきお金が減る可能性。
2. 見せかけの株価上昇
業績が良くないのに株数だけ減らして株価を支えることもある。
3. 借金で行うリスク
借入金で自社株買いをすると、財務が悪化することがある。
投資家がチェックするポイント
- なぜ今やるのか
- 借金していないか
- 業績は本当に良いか
- 一時的なのか継続的なのか
まとめ
自社株買いは、
- 株の枚数を減らして
- 1株あたりの価値を上げ
- 株主に間接的に利益を返す
という戦略です。
うまく使えば株主にも会社にもプラスですが、
「数字のマジック」にもなり得るため、理由とタイミングがとても重要です。


