FOMCとは Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会) の略で、アメリカの中央銀行である FRB(連邦準備制度理事会) が開く会合のことです。

基本ポイント
- 役割
アメリカの金融政策を決定する機関。特に「政策金利(フェデラルファンド金利)」の誘導目標を決めるのが最大の役割です。 - 構成
FRB理事(7名)+地方連銀総裁(12名)のうち投票権を持つ5名 → 合計12名で構成。 - 開催頻度
原則として 年8回(約6週間ごと) ワシントンD.C.で開かれます。必要に応じて臨時会合も。 - 注目される理由
発表される「声明文」や「議事要旨」、さらには議長(現在はパウエル)の記者会見が世界の株式・為替・債券市場に大きな影響を与えるからです。

FOMCの仕組み
1. メンバー構成
- FRB理事会メンバー(7名)
大統領が指名し、上院が承認。任期は14年と長め。金融政策の中核を担う。 - 地区連邦準備銀行総裁(12名)
全米12地区の連銀総裁。うちニューヨーク連銀総裁は常に投票権を持つ。 - 投票権
12名 → FRB理事7名 + 連銀総裁5名(持ち回り制) ※ただし、全員が議論には参加。
2. 会合の流れ
- 経済・金融市場の現状分析
雇用、インフレ、GDP、国際情勢などを議論。 - スタッフレポート
FRBスタッフが経済見通しやシナリオを提示。 - 政策討議
金利誘導目標(フェデラルファンド金利)の調整や資産買い入れ政策などを議論。 - 採決
投票により金融政策を決定。 - 声明発表
会合終了直後に声明文を発表。マーケットが最も注目する部分。 - 記者会見(四半期ごと)
議長が方針や見通しを説明。
3. 具体的に決めること
- 政策金利(FF金利の誘導目標)
米ドルの短期金利の基準。利上げ=金融引き締め、利下げ=金融緩和。 - バランスシート政策
国債やMBS(住宅ローン担保証券)の買い入れ・縮小(QT)。 - 今後の方針のシグナル
「forward guidance(先行き指針)」として市場にメッセージを送る。

投資家が見るべきポイント
- 金利動向
株価・為替・債券価格に直結する。 - 声明文の文言変化
例えば「inflation is elevated(インフレは高止まり)」が削除されると緩和方向のサイン。 - ドットチャート
各メンバーの金利見通しを点で示す。市場の予想と乖離があると相場が大きく動く。
FOMCが重要な理由
- アメリカは世界最大の経済大国。
- 米ドルは基軸通貨。
- よってFOMCの決定は、米国だけでなく 世界中の株・為替・債券・商品市場 に波及します。